夫が自己破産したら、妻が借金返済しなければいけないのか

				

かなわんこ

ぱんだこさん、僕がもし自己破産した時に、妻は僕の借金を代わりに支払ったりしなきゃいけなくなるんでしょうか?
大丈夫ですよ。 かなわんこさんが自己破産したからといって、奥さんが代わりに借金を背負わなければいけないということはないです。 ただし、奥さんが保証人になっていたら残念ながら支払わなければいけませんが。

解決ぱんだこさん

				

かなわんこ

そうなんですね! 自己破産をしたいと思っていたのですが、妻に迷惑がかかってしまうのが一番心配で・・・
奥さんが、かなわんこさんの借金のために自分の貯金を崩したり、保険を解約したりしなくても大丈夫ですから、心配せずに一度相談にいってみてはいかがですか。

解決ぱんだこさん

 

自己破産は新たに生活の立て直しの一歩ですから、これを機会に生活を見直してみましょうね。

解決ぱんだこさん

この記事はこんな人におすすめ

  • 夫もしくは妻の借金が発覚した人
  • 夫もしくは妻が自己破産を検討している人
  • 親や子供の借金が発覚した人
  • 家族の借金を肩代わりして支払った方がいいのか悩んでいる人
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夫(妻)の借金を自分が返済する義務はない

よく、ドラマで取立屋が「旦那さんが今月も借金の返済を滞納してます。あんた奥さんなんだから代わりに支払いなさい!」みたいなシーンをみたことありませんか?

夫が内緒で作った借金が発覚したうえに、雲隠れしてしまった。

でも自宅には借金取りが来て、「お前が代わりに支払え!」みたいな。

 

実際には、奥さんが夫の借金を代わりに支払う義務はありません。

 

ちなみに夫婦間だけでなく、親や子供の場合も同じです。

親の借金が発覚したからと言って、子供が返済しなければいけないという義務もありません。

 

※ただし、保証人になっていたら話は別です。もし、家族の借金の保証人になっていて、自己破産となれば保証人である自分に請求が行きます。

 

債務整理は個人責任が大原則であり、生計を一つにしている家族だとしても、代わりに借金を支払わなければいけないという義務はないのです。

 

なので、

夫の借金のために、自分名義の定期預金を解約して支払わなきゃ・・・

妻の借金のために、自分の車を売却して支払わなきゃ・・・

親の借金のために、自分の保険を解約なきゃ・・・

と考えなくていいんです。

 

 

実例:自己破産しても、家族の財産に影響はない

妻だけ自己破産した実例

依頼者:60代女性 パート勤務 借金200万円程度

夫と二人暮らし。夫は定年後も契約社員として仕事をしている方。

夫婦とも定年退職をして、年収は下がってしまっていた。

しかし、貯金も少ないまま、今までと同じレベルの暮らしを続けてしまい、足りない生活費を自分のカード支払やキャッシング、カードローンで補てんしているうちに、借金が膨れ上がってしまった。

という事例の依頼者でした。

この場合でも、生活を同じくしている夫が貯金を取り崩して、代わりに借金を支払うということにはなりません。

ただし、自己破産の手続きでは、裁判所に夫の給与明細、源泉徴収票を提出しなければいけません。

また、裁判所に家族の収入を含めた家計簿を作成して提出することが必要です。

この時に、夫の名義の銀行通帳等を提出することはありませんでした。

夫だけ自己破産した実例(妻名義の持ち家あり)

依頼者:40代男性 会社員 借金500万円以上

妻と子供と暮らしており、自宅は妻名義の家。

事業に失敗し、その会社の負債を穴埋めするためにカードローンや消費者金融で借金をして、支払えなくなってしまったという方でした。

自宅は妻が結婚前から保有していた持ち家でした。

一般的に考えると、持ち家なんだから、自己破産したら差し出さなければいけない財産と思われがちです。

しかし、もともと奥さんが結婚前から持っていた持ち家であり、生計を一つにする夫婦といえど、奥さんの財産なので、自宅を売却することはありません。

もちろん、裁判所には、自宅の登記簿謄本を提出し、報告をしました。

依頼者は妻名義の自宅だったおかげで、売却することなく自己破産をすることができました。

なかなかないレアケースでしたけどね。

自己破産しても家族名義の財産に影響はない

以上のように、自己破産をしたとしても、家族名義の財産を差し出したり、解約したりする必要はありません。

ただし、家族名義でも、明らかに破産した本人のお金で購入したものだと判断される場合はまた別です。これはどうなんだろうと不安に思ったら、専門家に相談することをおすすめします。

家族の財産に影響はないとはいえ名義変更などの財産隠しはNG!発覚すると免責が下りなくなることも

以上のように、家族が自己破産した場合、例え同じ家計で暮らしていても、夫や妻の借金を代わりに支払う必要はありません。

ただし、それを逆手にとって、

じゃあ、今の自宅の名義を妻に変更してから自己破産しよう・・・

とか、

自分の貯金を妻名義の口座に移してから自己破産しよう・・・

などと、財産隠しを考えるのはやめてくださいね。

バレますから

 

法律事務員の私でも通帳を見れば、おかしい点とか疑問点が結構な確率でわかります。

もっと詳しい弁護士が見ればなおさら。

それどころか、もっと自己破産の件数をこなしている、裁判所書記官と裁判官が見れば、怪しい点がすぐわかります。

財産隠しがばれた場合、免責許可決定が下りなくなってしまったり(=借金がゼロにならない)、最悪の場合、罪に問われてしまいます。

財産隠しはやめましょうね。

解決ぱんだこさん

まとめ

以上をまとめててみると、

まとめ

    • 夫や妻の借金があっても、家族が代わりに返済する義務はない
    • 夫や妻が自己破産しても、家族名義の財産を差し出すことはない
    • ただし破産前に財産を家族名義にすることはNG

自己破産を検討しているけれども、家族に迷惑がかかるのではないかと不安になっている方へのご参考になればと思います。

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